〜Now and Then〜00.8.24 鹿島練習見学

週に1度しかない休日を鹿島行きに使うとそれだけで1日つぶれると解っているのです が、
前々から「内田さんの1日店長に行く」と公言していた私はこの日に休みを申請し 、1人で鹿島に向かいました。

店長の日程は2時〜3時だったのですが、なぜか私は3時からだとずっと勘違いしていてクラブハウスに着いたのが3時10分前。
慌ててクラブハウスに駆け込んでみるとそこには30人以上の女の子に囲まれてすご いフラッシュを浴びている内田さんの姿がありました。
ボランティアの方の「もうサイン貰う人はいませんかあ?」の呼びかけに慌ててカバ ンからプログラムを取り出します。
去年の関東大学リーグのパンフレットの注目選手の欄には、駒沢大学でキャプテ ンを つとめていた内田さんがカラーで紹介されています。
最終戦で筑波大と優勝をかけた試合をした時に「駒沢のキャプテンって鹿島入り って 本当ですか?」と聞かれ、
こっちがびっくりしてしまったことなどがよみがえります。
ボランティアの方に「おおっ、珍しい物持ってきたねぇ」と言われ、興味を示す内田 さん。
思わず「あ、良かったらゆっくりどうぞ」などと言ったのですが「あ、いや、別 に・・ ・」と断られてしまいました(笑)
一言くらいは質問する時間がありそうだったので、友人の間で疑問に上がっていたことを思い切って聞いてみました。

「あのお、内田さん。同期の子達って皆4才年下ですよね?内田さんって何て呼ばれ てるんですか?やっぱりさん付けですか?」
「うーん、いやあ、ウッチーとかウチ君とか・・・ですかね・・・」
「あ、敬語とか使われたりとかは・・・」
「いや、別に(笑)」

そうですよね。そうですよね。見ている限りでは非常に溶け込んでいる様子だったので安心してはいたのですよ(笑)
サイン会も無事に終了となり、机がどけられると一斉にフラッシュがたかれて撮 影会が始まります。
両手でピースしてくださいとか、笑ってくださいとか女の子に囲まれてのリクエ ストに内田さん結構にこにこでしよね?(笑)

練習まで1時間ほど時間があったので見学席の場所だけ取ってクラブショップで買い物をして待ちます。
今日は五輪組がいないこともあって、午後練にも関わらず先週来た時に比べれば人が全然少なかったです。
いつの間にかタオルマフラーをなくしてしまっていた私は、今日こそはと心に決 めていた“#15KANEKO”のタオルマフラーを購入しました。
サイト管理人にもなったことだしそれくらいは身に付けなくてはと一念発起(大 袈裟) したのです。

それでも時間が余っていたので駐車場の方で選手がやってくるのを何とは無しに眺めていました。
選手が三々五々集まってくるのを見ていると、やって来たのは金古君の緑の車。
私が練習前にここにいる時は大概金古君が怪我したという話を聞いた時のような気が します。
金古君が自分で車を運転して来ることができる状況かどうかということが、私に とっ て怪我の度合いを計るバロメーターだったりするのです。
4時過ぎに選手がAコート側に表れ出しました。 駐車場にいた時に鹿ユースの子達が自転車や親の車で来ていたので、
今日は練習 かな?と思っていたらどうやらトップと合同の様子。
端っこの方で立ち尽くしてトップの選手を見ているユースの子達。彼らには眩しい光 景なのでしょう。

若手の殆どと秋田さんと本田さんは鳥かごを始めます。相馬さんは何やらコーチ と話 をしながらストレッチ中。
そしてその鳥かごを眺めながら寝そべる祥朗君の隣には、フロンターレからのレンタ ルから帰ってきた金髪になった隆行さんの姿がありました。
ほぼ選手が出てきたのですが、金古君と譲君はやはり今日も別メニューな様子で 外ニ はいません。
ユースは10人弱いて、主力を揃えている感じですが木戸君の姿は見当たりませんで した。
4時15分になり里内コーチの号令の元真ん中で大きな輪になります。ユースが合流 している為に大きな輪。
こんな大きな輪は鹿島では久しぶりに見たような気がします。いつも人数が紅白 戦ぎりぎりですから・・・。
ここではたと気づいたのですが、マジーニョが合流しています。ブラジルに一旦 帰っ たと聞いていたのですがいつの間に?!

ピッチの半分を使って思い思いにランニングをして体をほぐした後にビブスを配 り じめます。
ビブス無し組がレギュラー、有り組が控えという感じで控えの方にはユースの子 が何人か入っています。
3人1組になって大きな三角形を作って軽くパス回しをするとすぐに紅白戦に突 入し ました。

ビブス無し組はGK高桑、DF内田・秋田・羽田・相馬、MF熊谷・本田・ビスマル ク・小笠原、FW長谷川・隆行
ビブス組はGK古川、DF羽賀(Y)・茂木(Y)・柳町(Y)・根本、MF加 藤 (Y)・松島・野沢・祥朗、FW阿部(Y)・幸聖
名良橋さんとファビアーノはどうやら紅白戦は欠場する様子。
名良橋さんはゴール横 でストレッチしながら見ていますし、ファビアーノはマジーニョと2人で黙々とグラウンド回りを走っています。

サブ組では松島君がボランチをやっていること、祥朗君が2列目をやっていたことが気になりました。
ナビスコではMFの控えが全然いないですからその布石でしょうか??
紅白戦前に監督がレギュラー組に対して結構長い時間指示を出していたのですが 、面白かったのが野沢君と祥朗君。
野沢君が最初にボールを持ってくるくると回ったり足の下を通してみせたりと華麗にリフティングをしてみせます。
一通りやり終えるとほいっとボールを祥朗君に渡し、やってみな?というそぶり を見せます。
そして見ている側と野沢君の両方の期待を全く裏切らず、まるでそれができない祥朗君・・・

試合が開始されユースの子が多いサブ組に対して余裕で攻めてくるレギュラー組 。
しかし最終ラインを何度と無く突破するにも関わらず長谷川さんと隆行さんのFW2人は全くゴールを決めることができません。
観客からも「うわあ!」という悲鳴が飛び、監督の声も徐々に試合本番の時のようにエキサイトしてきます。
隆行さんが小笠原君からの絶妙なパスを受けてDFを振り切り1対1になるもポ ストに嫌われますし、
長谷川さんの飛び出していってのループシュートもバーの上を超えていってしまいま す。
随所にいいプレーを見せる柳町君ですが、やはりまだまだ長谷川さんを押さえ切 ると こまでいかないのですが、いかんせんゴールが遠くて。
高桑さんからは内田さんと羽田君に対して何度もポジションの指示が飛んでいま した。
まだ一連のプレーが終わった後にどこのポジションに戻るかが的確ではないよう です。
見学席からは右サイドが近かったので、秋田さんが内田さんにずっと守備の仕方 を教 えていたのが良く解りました。

「ナーイス!ウッチー!よし!戻れ!!」
「もっと相手の足元をしっかり見てそこで遅らせなくちゃ駄目だろお!」

サブ組の方ではFWの二人がなかなかいい動きをしていました。
体格を生かしてヘディングで競ったりポストしたりが得意な阿部君と、DFの裏を抜 ける早さのある幸聖君。
この2人はサテライトでも何回か組んでますしお互いの特徴を良く解っているのでしょ う。
左で阿部君が持った瞬間に奥の右サイドから「あべー!!あべー!!」とボールを要 求する声。
その声の通りにサイドチェンジした先には野沢君。フリーでボールを受けると前 に走 り込んだ幸聖君に絶妙のパス。
高桑さんの好判断によりゴールはならなかったもののなかなか惜しいシーン。
この日ボランチの位置で苦労しながらも運動量豊富に駆け回り、声も良く出ていて私的に好印象だった松島君。
センターライン付近でボールを持った野沢君を追い越しながら「たくやー!!た くや ー!!」と大声で呼びます。
その言葉にまるで耳を貸すことなく持ち上がりPA外から強烈なミドルを放つ野沢君。
ユース時代やSBSでの印象は何も間違っていなかったことを再確認させられま す。

ゴール前まで行くもののゴールラインはお互い割ることのなかった試合ですが、 最後の最後に相馬さんが左サイドを駆け上がり
DFに入った野沢君を抜くとそれが隆行さんの頭へ合います。
それを隆行さんが前に飛び出していた古川さんの頭上を抜くようにふわっと浮か せて1ー0。
この直後に紅白戦は中断になり休憩ということになりました。

AコートとBコートの間ではこの紅白戦で出番のなかったユースの子達が軽くボール を扱っていたのですが、
休憩になりそこにふっと目を向けてみるとそこには譲君と金古君の2人がいまし た。
どうやらいつの間にか外に出てきており、ボールを使った軽い練習をずっとそこで行っていたようです。
コーチについてもらい両足を使って軽くボールを蹴ったり、ジョギングしたり。
ずっと中にいて外には出てきていないという話でしたから、外にいてボールを蹴 って いるのを見れて少しほっとしました。
この感覚を今年に入ってから何回経験したのか。デジャブのような気持ちになるのも無理はありません。

3分程の休憩の後に今度は主力を少し抜いたプロ組とユース+高桑さんという紅白戦。
プロ組の方のメンバーはGK古川、DF内田・秋田・羽田・根本、MF松島・本 田・ 野沢・祥朗、FW隆行・幸聖
右サイドを持ち上がった野沢君から幸聖君にスルー。 これを幸聖君が高桑さんをかわして、角度が無いところからきっちり決めて先制 します。
お役御免になってしまったメンバーは紅白戦を横目にしながらストレッチ。
ふっと気づくと金古君はリハビリメニューを終えてベンチに座り、足元にボール を置 きそれに足をかけながら紅白戦の様子を見ていました。
後から横に座った譲君と金古君を見ていて気づいたことが一つ。
二人とも基本的にはボールの動きを追っているのですが、ふとした瞬間に金古君はD F、譲君はFWの動きを見ているのです。
やはり二人とも自分のポジションの人の動きというのは気になるのでしょう。痛感し てしまう視線の動き方でした。
できるならばあそこで紅白戦を見る金古君のあの眼差しには私はもう出会いたく ないのです・・・。

ユース相手にほぼボールをキープしながらも20分程の試合時間で3つしかゴールを割ることはできませんでした。
これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれの感性なのでしょうか?私には物足 りなく思えました。

終了後に内田・羽田・根本・松島・野沢・祥朗・幸聖・隆行の8人は残ってシュ ート練習。
残りのメンバーは引き上げてきてしまうので、金古君に接触したかった私は鹿ガーデ ン横に移動します。
ここからシュート練習を見ているとどうやらヘディングシュートの練習の跡はP Kスポットの横辺りからシュートして
古川さんを抜いてシュートを決めた人から抜けるというゲームのよう。
皆すぐに決めてしまい次々と抜けていくなか残っていたのは祥朗君と羽田君。
どうにか祥朗君が決めて大歓声が起こる中どんどん焦っていく羽田君のシュートはク ロスバーの上を飛んでしまい
ストレッチをする皆から冷やかしの声が飛んでいました。

鹿ガーデン横には相馬さんの奥さんと溺愛する娘さんのななちゃんとその友達の子供 の姿が。
譲君と金古君と相馬さんがその姿を見つけるとすかさず近寄ってきます。
抱き上げられたななちゃんを見てにこにこ顔で近寄ってくる譲君と金古君。二人揃っ て「おっは〜♪」とポーズ付きでお出迎え。
お互いに
「おおっ!俺のこと見ても泣かないよ!」
と喜んだ瞬間にななちゃんがべそ をかきそうになると慌てて後ずさりします(笑)
柵に少し捕まりながら立つななちゃんを上から柵に頭を乗せて満足そうに見下ろす3 人。 譲君が
「な〜なちゃん、お父さんはどれでしょう?」
なんて言うとすかさず奥さ んが

「目の細さで解るわよねえ」

いや、その条件だと譲君はすぐに外れますけど残りの2人はいい勝負では?と思 わず 突っ込みたくなってしまいました(笑)

一番笑ったのがななちゃんが名良橋さんや平瀬君のゴール後のパフォーマンスで一躍 有名になったあのポーズをしていたこと!
手を下げてぶらぶら〜っとさせるななちゃんを見て思わず金古君が

「そ、相馬さん・・・。もうこの体操ななちゃんに教えてるんすか?!」
「当り前だろ」

自信満々に答える相馬さんが2mの距離にいなかったら私はお腹を抱えて笑っていたに違いないですよ!
少しななちゃんから離れた金古君にファンの人が近寄るとサインをしていたので 、私もさっき買ったタオルマフラーを出して並びます。
怪我の個所と状態が気になっていたのでそこを訪ねるといつも通り単語ではあり ますが、答えてくださいました。

五輪とアジア杯の中断前に秋田さんとファビアーノが同時にイエローを3枚ずつ貰ってしまった為に
中断後の初戦である国立でのエスパルス戦には金古君が出場する公算が大きいのです。
チームにとっても大事な試合ですし、金古君にとっても大事な試合です。
万全の体調で。自信を持って。金古君らしいプレーをする姿を見ることができた ら。
2ヶ月以上先のこと。あっという間な気もするし、果てしなく遠いような気もし ます。 それでも確実にその日はやってくるから。
その時国立で笑っていることができま すよ うに。金古君も周りの皆も。

<Fin>

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