〜陽のあたる坂道で〜 00.2.11 鹿島練習見学レポ Vol.2

午後は3時半から練習ということで、更に見学者が増えることが予想されたため
3時15分には見学者の席について待っていました。
ところがいつまで経っても選手が現れる気配がありません・・・。
ゼ・マリオ監督の時は時間きっちりに練習が始まることが多かったので、選手の皆もそれに合わせて
5分前にはグラウンドに出てきていたのですが、どうやら新監督はアバウトだということを確信。

15分ほど遅れてやっと選手が全員揃いました。また鳥かごから練習は始まるようです。
それにしても小笠原君の動きが妙に面白いです。じたばたじたばたと腕を上下に振ってご機嫌です♪
一人だけハーフパンツですし、本当に暑がりなんですね(笑)
この小笠原君の様子を丸と棒だけで私がメモ帳に書いた絵が、相当似てるんですよ!
スキャナが我が家に無いのが惜しまれます(笑)

10分くらい鳥かごをしたところでランニング開始です。
午後は軽く3周くらいで終了して、すぐに一人一つずつボールを持って軽いフィジカルトレを兼ねたストレッチ。
ボールを持ったまま前屈したり、ボールを地面に置いてひょいひょいと飛び越したり。
ときおりランダムな方向へと全員でドリブルしている時に、
いつの間にか輪から外れてしまって上手いタイミングが見つからず、輪の中に戻ってこれない羽田君(笑)

リフティングの時には野沢君の柔らかいボールタッチがとても印象に残りました。
野沢君は開幕と同時に半年ブラジルの方へ留学するということで、皆の期待の高さが伺えますね。

最後に午前中と同じ様なダッシュを何種類かおこなってここでいったん休憩が入ります。
ここでコーチがビブスを取り出してきたので、紅白戦が始まるのかなと少し期待しました。
本山君は相変わらずビブス配りを始めます。高校の時からずっとそうだったらしいですから(笑)

しかしビブスを配られた選手は5〜6人程で、これでは紅白戦はできません。
どうやらビブスをつけた選手が仮想の敵となってのフォーメーション練習が行われるらしいです。

あの!羽田君!ビブス裏表逆に着てますよ!(焦)あ、松島君に突っ込まれて気づいた模様です。
遠目から見ると羽田君と本山君は似てるという疑惑が、私の回りでは浮上していたのです。
黒くて長目の髪で少しひょろっとしたところが似てるとの評判だったのですよ。
まさか背番号を受け継いだだけでなく、そんなボケなところも似てるのでしょうか・・・(笑)

野沢君と幸聖君だけはなぜか二人だけコーチに連れられて、端っこでパス練習をやっています。
それ以外の皆は真ん中で輪になってミーティングを始めました。
監督が大きなジェスチャーを交えて指示を飛ばしています。

ここで中島譲君と柳沢君の二人がグラウンドに出てきました。
長谷川さんも含めてFWが3人リハビリ中。平瀬君は代表でマカオに拉致されているというわけで
鹿島のFWは壊滅状態です・・・。

ミーティングが終わり選手が散らばりました。
右サイドバックに名良橋さん、左サイドバックに相馬さん。センターバックに秋田さんと金古君。
中盤に熊谷さん・本田さん・祥朗君。3トップの右に増田さん、真ん中にビスマルク、左に本山君が入ります。
それ以外の選手はビブスをつけて、ランダムに配置され敵の役をしています。

監督がピッチをあちこち飛び回ってフォーメーションや動き方の指示を出しており、コーチが必死に通訳しています。
ただし、こういう状態ですので監督が指示している場所以外の選手は皆とっても暇そう・・・(苦笑)

最初は右サイドから説明していたので、それ以外の皆様はすっかり暇をもて余してしまっています。
本山君はオーバーアクションで必死に説明してる監督の物まねをしてみたり、
いきなり走るふりをして祥朗君に無視されてみたり(爆)と、落ち着きが全然ありません。
いきなり監督に話を振られて「ふんふん」とうなずく仕草を見せてはみたものの、
話が終わった瞬間に相馬さんの方を向いて、にっこりとしながら「全然解りません!」というポーズを!
それじゃ駄目じゃないですか!!相馬さんも笑ってないで、説明してあげてくださいよ!!(苦笑)

監督の身振り手振りと、コーチの出す指示の声から推察するに、どうもサイドチェンジすることや
スペースを作ることなどを指示しているようなのですが、いまいちコーチも解っていない様子が見受けられて不安です。
そういうのって練習前にミーティングとかでボード等を使った方がいいと思うのは私だけでしょうか・・・。

小笠原君も中盤でビブスを着ているのですが、すっかり飽きてしまった模様。
さっき鳥かごの時に見せたおかしな動きをここでも披露しています。真面目な顔でコミカルな動き!(笑)

金古君は最初のうちは手を後ろに組んでまじめに監督の話に聞き入っていたのですが、
中盤の前の方に説明が移動した瞬間に、隣にいた秋田さんの無言のそそのかしにあっさりと負けて
二人でボールを蹴って遊び出してしまいました!あ、秋田さん!駄目じゃないですか!そそのかしたら!(笑)

左サイドに監督の指示が移ると、今度ば元祖落ち着きの無い人゙こと名良橋さん(すいません(笑))が行動を開始しました。
観客席の目の前だというのに、ステップを踏んでみたり手をぶんぶんと振り回してみたりとお忙しいご様子。
お連れ様の「あれってダンスダンスレボリューション的な動きですよね」という一言が、大はまりしてしまい
それ以来名良橋さんのこの動きは「ダンスダンスレボリューション」で通じるようになってしまいました(笑)

ここまで散々飽きてる人の動きばかり描写してきて今更なんですが、監督に指示されてる人は
ちゃんと指示を真剣に聞いていたということを書き添えておきたいと思います(爆)
最後にボランチが前線に出て行ってシュートするというパターンをやったところで、この長かった練習は終わりを告げました。

再びコーチがビブスを配り、今度こそ本当にハーフコートでの紅白戦です。
ビブス組が加藤君・相馬さん・本山君・祥朗君・羽田君・増田さん・ファビアーノ・秋田さん・熊谷さん・コーチ
ノンビブス組が高桑さん・名良橋さん・本田さん・野沢君・金古君・ビスマルク・小笠原君・幸聖君・松島君・内田君。

開始早々に相馬さんがDFラインからドリブルでゴール前まで真ん中を一直線に駆け上がって行き
4人くらいを抜き去ってゴールにボールを蹴り込みました。
あまりのかっこよさに観客席からもため息が漏れ、歓声が飛んでいます。

少しの間見てみて解ったこととして、どうやらこのミニゲームはポジションとかあまり関係無しに全員が流動的に動き、
そして隙があったら誰でも真ん中をぶっちぎって、ゴールへ向かって一直線に駆けぬけいくという約束のよう。
不思議な練習ではありますが、それまでシステマチックな動きを理解するということをやっていた選手の皆は
この試合がとても楽しいようで、皆ボールを持つと嬉しそうにドリブルでぐいぐいと前線に駆け抜けていきます。

こういうシチュエーションにおいて、その存在がひときわ輝いて私の目にうつる人がいます。
左サイドのタッチライン沿いぎりぎりを風のように走り抜けて、ひらりひらりと迫り来る相手をかわしていきます。
その鋭いドリブルはカミソリや刃に例えられることも多い彼−本山雅志−。

足元に吸い付くように乗っているボールと共に本山君が敵陣深くまで入り込んでいき、
一瞬の溜めの後にゴール前にいた増田さんの足元ぴったりにボールが吸い込まれていきます。
増田さんの目の前には大きく口を開けたゴールのみ。右足で落ち着いて蹴り込み、ボールがネットを揺らします。

「本山のどういうところが好きなの?」
私が好きな選手は本山君だと答えると、こういった質問をされることが度々ありました。
その度に言葉に詰まってしまって、うまく答えることができない自分が歯がゆかったのですが、
今のこのプレーには私の大好きな"本山雅志"がたくさんたくさん詰まっていました。
ドリブルもパスも、風の様に走るその姿もゴールを狙うその目も。そしてゴールが決まった後の笑顔も。

たくさんの人に様々な角度から評価されるるプロの世界。皆色々な評価を各々の選手に下していきます。
でも周りがどんな判断をしようとも、私は前を見つめ目に光をたたえて走っていく本山君が好きなのだと。
そう再確認することができたから今日は本当に幸せだった。素直にそう思えるようなそんな素敵な一時♪

この後も目の前で本山君対金古君のボールの奪い合いが!
普段とは逆で突破しようとする金古君に対して必死に守る本山君という珍しい構図。
しかも最後は本山君が守り勝っていて、コーチからも「モト!ナイス!」という声が飛んでいました。
二人ともが好きな私には、ちょっと複雑は複雑な場面でしたけれど(苦笑)

この後も重戦車という言葉がぴったりの増田さんのドリブル突破や、名良橋さんのサイドからの攻めあがり。
そして秋田さんの高い打点からのヘディング等を堪能しました。本当に純粋に楽しかったです。

でも祥郎君がすごい勢いで最終ラインから持ち上がっていって、ドリブルで完全に抜き去って
最後の最後にGKと1対1の場面でループシュートの打ち損ないの様なボールが
はるか彼方に飛んでいってしまった時は、すいません。爆笑させてもらいました。あまりに祥郎君らしすぎますよ・・・(笑)

中盤のところで高く上がったボールに同時に金古君と本山君がジャンプして、空中で二人が大激突。
体格の違いを改めて言うまでもなく、吹っ飛ばされてしまったのは本山君の方・・・。
すごい勢いで跳ね飛んでしまい、どすっと地面に落ちてしまいました。
正座しながら「痛い、痛い」と全身で訴える本山君でしたが、その瞬間にコーチが終了を合図してしまいました。
そっちに気を取られてしまい、吹っ飛ばした張本人の金古君が側でおろおろする以外は
すっかり皆本山君のことを忘れ去って、引き上げの準備に取り掛かりはじめてしまいましたとさ(苦笑)

さすがに今の季節は夜になると鹿島は寒いです。
しかしバレンタイン前の祝日なこともあって、多くの人が選手が出てくるところを待っていました。

比較的早目に出てきたのは本山君。人が殺到していきます。
最初のうちは写真のリクエストにも応えていたのですが
「あの、すみません。フラッシュ、まぶしくて目がちかちかしちゃうんで」とフラッシュを断っていました。
あの光をずっと目に浴び続けたら目に良くないですものね。

去年出待ちをしていた時に友人が本山君に本人の代表カードにサインしてもらったところ
本山君が「これどこで手に入るんですか?」と興味を示していました。
「セットになっていて封がしてあるから、本山さんが出るかどうか解らないんです。」
友人のその説明を聞いてなるほどと本山君はうなずいていました。

実は私は代表カードのユースと五輪代表の本山君を2枚ずつ当てることに成功していました。
そこでゴールゲッターカードにサインして頂いている時に
「あの、この代表カードって本山さん持ってらっしゃいますか?」と聞いてみると
「いやあ、これは僕は持ってないですねえ」
「あ、私この2枚はだぶってるんですけど、よろしかったら本山さんこれいかがですか?」と差し出すと
「あああ、ありがとうございます〜(にっこり)。これ〜、部屋に飾りますねえ(にこにこ)」と受け取って下さいました。

更に調子に乗った私が前日の深夜にバレンタインが近いことに気づき、当日にコンビニで買ったビックリマンチョコを
「あの!よろしかったら、こ、これも食べてくださいっ!」と差し出したところ
「あああ。すみません。ありがとうございますっ!ふふふ」と貰ってくれました。
本当にこちらこそありがとうございましたっ!そんな優しい本山君が私は大好きですよ。

この後30分程経って、少し人も減ってきた頃金古君がロッカーから出てきました。
先日撮った写真にサインを頼みながら、私がずっと気になっていたことを金古君に問い掛けます。

「あの,金古さん、昨日練習一緒じゃなかったんですか?」
「はっ?!どういうことですか?」
「え?!いや、昨日金古さん別メニューだったって聞いたんで心配してたんですけど・・・」
「いや?僕一緒でしたけど?」
「へっ?!あ、すみません。そうだったんですか?あ、お、お疲れ様でしたっ」
「あ、はい。ありがとうございます。」

私もすっかり目が点だったのですが、どうやら何の心当たりも無い金古君が一番びっくりしていた様子。
これは家に帰ってメールをチェックして初めて解ったのですが、昨日見たMLの訂正が流れてきていて
「昨日柳沢・金古が別メニューと書きましたが、柳沢・中島の間違いでした。」とのこと・・・(絶句)
前日取り乱していた私と、見当違いな質問を金古君にしてしまった私。
この二つをこの世の中から消し去りたいと心から願いましたよ。
トンチキな質問してしまって、本当にごめんなさい。すみませんでした>金古君

最後に相馬さんファンのお連れ様と一緒に相馬さんを待って、鹿島を出たのは7時半近くなっていました。
10時間近くこの場所にいたことになると思うとすごいですね(笑)

大好きな二人にたくさんのエネルギーを貰えた。そんな素敵な一日でした。本当にありがとうございました!

<Fin>

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