〜fly higher〜 00.4.16 サテライトアントラーズVSジェフ観戦記

時間に余裕を持って行動するという言葉を誰か私に教えてやってください。
相変わらず余裕の無いスケジュールを立てたせいで、高速バスを降りたらすでに試合開始5分前を切っていました。
今日の発見はバス停からすごい勢いでダッシュすると12分30秒でグラウンドまでたどり着くということ・・・。

私がぜいぜいと息を切らせながらたどり着き、ふっとグラウンドに目をやると
それは調度ジェフの林君がゴールを決めた瞬間でした。

席を取ってくださった方がバスに乗ってる時に電話で「今日は本山が入ってるよ」と教えてくださっていました。
J開幕から早くも1ヶ月。本山雅志ついに公式戦初登場ということになったようです。

メンバーはアントラーズはGK曽ヶ端、DF内田・羽田・柳町(Y)・根本、MF加藤(Y)・木戸(Y)・松島、FW阿部(Y)・本山・幸聖
どうも前のサテの東京戦で祥朗君が怪我をしてしまったらしく今日は出場していません。
替わりに本山君が入り、キャプテンマークは曽ヶ端君へ。他のメンバーはここまで不動と言っていいでしょう。
ジェフ側はGK立石、DF井上・山本・西ヶ谷・村井、MF佐藤勇人・井幡・林・坂本、FW菅野・佐藤寿人
MFとして入っている林君がどうやら開始10分で得点し、ジェフが1ー0とリード。

今回本山君はFW登録となっており、一応は3トップの左がポジションの様ですが
監督からの指示なのか本人の判断なのか少し下がり目に位置をとって、1.5列目のポジションと言った感じ。
左CKも任された様で、とことこと蹴りに行きそして1発目はいつもの様にショートコーナーを蹴っていました。

しかし15分2度目のCKの時本山君が蹴ろうとした瞬間に、PA内でアントの選手が2人ばったりと倒れます。
一瞬何が起こったのか良く解らなかったのですが、審判は高らかに笛を吹きPAスポットを指差します。
これを蹴りに行くのもどうやら本山君。GK立石さんにコースは読まれていたものの無事にゴールネットを揺らして同点に追いつきます。

お互いボールに対する反応もなかなか良く、比較的きびきびとボールが中盤で回り今日は面白い試合になるかな?
そう思っていた矢先の20分。右サイドを内田さんがオーバーラップして行き、相手を振り切ると中央の本山君にセンタリング。
これを本山君がDFと競りながらヘッドで受けて、1トラップした後思い切り右足を振りぬいてゴールを決めました!
見ていてすごく気持ちのいいゴールで、思わず本山コールにも力が入ります。
今日はセレーゾ監督もサテ見学に来ていました。トップの決定力不足が叫ばれる中このシュートをどう見たのでしょうか?

ぱっと奥の方を見ると選手らしき人がこっちに向かって歩いて来ます。どうやら浩二君と金古君。
2人とも先に来て見ていた加藤君の上に座り込んでみたりしてじゃれています(笑)
金古君は膝に水がたまったとのことで、大事をとって昨日の大阪遠征のメンバーからは外れていました。
今日も結局出場は無しということになった様子です。

ジェフの方も中盤の位置に入った林君とボランチの勇人君、FWの寿人君の動きがとても良く
30分には中盤でパスを回され、ゴール前での混戦から坂本君に決められてしまい2ー1と突き放されます。

この日の本山君の動きはかなり良かったのでしょう。実戦から遠ざかっていることへの不安があったのですが
守備にも攻撃にも良い形で絡み、フィニッシュの形まで持っていくという基本が忠実にこなせていたように思えます。
右の幸聖君から出たセンタリングの時も、一回下がってDFを外してから前線に出ていったりと動きが光っていました。

真ん中をドリブルで抜けて左の根本君にパス。本山君はそのまま左に走り込んだ自分にパスが欲しかったのですが
根本君の視界にそれが入らなかった様で前線へ大きくフィードが出てしまい、相手DFにカットされた時には
「ねもとっ!こっちに走ってんだろっ!!」と大声でアピールしていました。
普段は大声で味方に対して指示を飛ばすというタイプではないのですが、今日の試合にかける意気込みを感じされられます。

36分には幸聖君が前線でボールを受けて胸で1トラップ。足元にボールを落とすとそれをノールックで後でフリーの内田さんにヒールパス。
PA少し外から内田さんの豪快なミドルシュートが放たれますが、惜しくもゴールわずか左に飛んでしまいました。

この直後にジェフは村井君から杉山君へメンバーをチェンジします。この時間帯ということは怪我か何かでしょうか?
ボランチの位置まで下がって守備をしていた本山君がパスカットし、一気にドリブルで前に上がって右の阿部君にスルー。
阿部君のシュートは相手DFに当たってしまいましたが、このパスが本山君らしいなあと思いました。
ドリブルが注目されがちな本山君ですが、このパスセンスを生かす為にドリブルがあると私は思っていたりします。
ドリブルで相手を引き付けておけば、敵DFの背後に生まれたスペースを生かすパスは出し易くなるはず。

前半はこのまま終了し、選手がロッカールームの方へ引き上げていきます。
金古君と浩二君が林君の所へ駆け寄っていきます。浩二君が林君の肩を上から組んで、何やら耳打ちしたりしています。
どうやら今日は2人は林君に会いにきたんですね。

後半が始まるといつの間にか祥朗君もやってきており、時計の側で4人でパイプ椅子を並べて観戦中。
開始早々の3分。右の内田さんから左の本山君に再びいいクロスが上がります。
本山君のシュートはバーに辺り跳ね返って真下に落ちます。入った!と思いましたが、
慌てて立石さんがボールをつかむと審判の判定はノーゴール。

中盤でずっと良い動きを見せている勇人君から右の菅野君がシュート。こぼれたところに林君がつめていましたが
ここは曽ヶ端君がきっちり前に出て抑えます。
立石さんのパンチングを中盤に上がっていた根本君がミドルを打つも少し右にそれたりと、一進一退の攻防が続きます。
13分に昨日トップの試合にも出場していた寿人君が下がり、小林君が投入されます。

そして21分。左サイドをドリブルで上がってきた本山君が、ぐんぐん相手を抜いて加速しながら中央に切れ込んできます。
前にいた幸聖君にパスを出すと自分は幸聖君を追い越して更に前に走っていきます。
これを幸聖君がポストになってワンツーで本山君に返し、相手DFが完全に翻弄されている隙に本山君が左足でゴール!
相手DFを崩す攻撃というののお手本の様な、2人の完璧なコンビを見せてくれました。
このゴールで今日は1PKを含むハットトリックを本山君が達成します。でももっともっと取って欲しいと思うのは私のわがままでしょうかね。

直後の25分には右の内田さんから中を良く見て、PAでフリーになっていた本山君にセンタリングが上がります。
これをバックヘッドでゴールに流し込もうとしたのですが、わずかに左にそれてしまいました。
それを見て膝を叩いて猛烈に悔しがる本山君。どうやら本人もハットトリックで満足なんてしていない様子。
実はハットトリックを達成したことよりも、この姿を見れたことの方が私は嬉しかったりしたのです。

この辺りから徐々に試合が荒れてきました。ボールを持った選手が次々に倒されてうめいているのですが、
審判はさっくりと流してしまったり、軽く注意を与えるだけとゲームをコントロールしきれていません。
更にアント側は要であるボランチ2人はユースの加藤君と木戸君。
ものすごく頑張っていてここまで本当に効いていたのですが、さすがに体力的にそろそろ限界を感じさせる動きになってきています。
しかしアント側のベンチは動く気配を見せず、全員ユースの子だったサブ組もアップをする様子がありません。

そんなことでアント側の−特に守備陣の−運動量ががくっと落ちてきてしまっていた終了間際の40分。
左の勇人君から前の林君にスルーが通されます。反応が遅れたDF陣の間を縫う様に林君は1タッチでシュートを放ちます。
これを曽ヶ端君が反応しており、キャッチしたと思ったのですがファンブルしてしまいゴールと判定されてしまいます。

更にロスタイムに入ったところで再び同じコンビにやられてしまいます。
中央で勇人君がボールを持ち、木戸・加藤のボランチ二人が当たりに行きましたがこれがフェイントでさくっと抜かれてしまいます。
CBの羽田・柳町の二人が思わず同時に勇人君に引き付けられて中央に絞ってしまいました。
これを狙っていたのでしょう。勇人君から右でフリーになっていた林君にスルーが出て、これを林君が落ち着いてシュート。
最後の最後に3ー4と逆転されてしまい、今年のサテライト戦初黒星を喫してしまいました。

観客席に挨拶し、帰って行く選手の背中に向かって発せられたコールは大きな本山コール。
ファンの贔屓目を除いてもこの日の本山君は別格と言って良い動きを見せていました。
今日の観戦メモも意識していなくても、攻撃面では本山君の名前が頻繁に登場しています。

波に乗れないトップチームの状況もあり、ファンの間では本山君に対する期待が高まっている様です。
ただ今日良い動きをしたと言ってもやはりサテライトでの物であって、トップとは中盤でのプレッシャーがまるで違います。
今日の動きがトップで通用するかと言われれば、それはまた別問題だと言わざるを得ないでしょう。
ただそれでも「トップで見てみたい」と思わせてくれる内容を見せてくれたことが本当に嬉しかったです。

鹿ガーデンの横に行くとそこにはなぜか誰も人がいませんでした。
珍しいこともあるものだなと思って柵によっかかっていると、どうやらグラウンドの観客席付近で浩二君が捕まっていた様子。
皆そっちに殺到していたのでここに誰もいなかったのですね。

そしてふっと前を見上げるとそこには青いアントのベンチコートを着た金古君の姿が。
怪我の様子を聞きたいと思っていた私が「金古さん!」そう呼びかけると、びっくりした様にこっちを見て歩いて来てくれました。
しかしここで後から今日ボールボーイをやっていたJrユースの子供達が駆け寄ってきます。
私が発した「金古」という言葉に反応したらしく、口々に「かねこー!かねこー!サインー!!」と叫んでいます。
今日支給されたらしいポンチョを手に持って10人位の子供達−金古君の腰くらいまでしか身長が(笑)−が金古君を囲みます。

突然のことに焦っておろおろとこっちを見る金古君。私が「あ、どうぞ、そちらを先に」と声をかけると
子供達を一列に並ばせてそのポンチョの入れ物にサインを始めます。
サインを貰った子供から順に「ありがとうございましたー!」と叫んで柵の扉から駆け出して行きました。
そしてやっと最後の子供にサインをし終わり、その子が扉からダッシュで出て行き、私の方に歩き出した瞬間金古君が固まりました。
どうしたんだろう?そう思った私の目の前で固まった金古君が

「あ、これ・・・。ペン・・・。ど、どうしよう・・・」

えっ?!と思って金古君の手を見てみると、誰か子供の持ち物だったらしいペンがまだ金古君の手に握られており
そのことに気づいて呆然としながら、子供の走り去った方をみつめる金古君の姿がそこにはありました(爆笑)
鹿ガーデンをうろうろしていた子に出待ちしていた皆で声をかけて、ペンを渡すことでこれは一件落着(笑)

気になっていた怪我の具合を聞こうと
「怪我なさったって聞いたんですけど?」と聞くと
「あ、大丈夫です」
「どこらへんを?」
「あ、この辺り(右膝を差しながら)」
「明日からの練習は合流できそうなんですか?」
「あ、もう一緒に大丈夫です」とのこと。
とりあえずほっとしました。やはりちょこちょこと小さい怪我を頻繁にしているのは気にかかりますね。

グラウンドを見ると監督が残ってシュート練習中。ジーコさんも来てランニングを始めたので
「すわっ?!もしやスタッフサッカーか?」と思ったのですが、ただ単に運動不足解消だったようで・・・(苦笑)

1stステージももう折り返しまでやってきました。サテライトがトップにどう反映されていくかも見ていきたいものです。

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