〜陽のあたる坂道で〜 00.2.11 鹿島練習見学レポ Vol.1
普段一緒にアントラーズ戦を観戦してくださる皆様と練習を見に行く、という話が数日前にまとまりました。
誘われた当初は少し悩んでいたのですが、練習の日程が発表になり11日が午前と午後の2部練習だと解った途端
「行きます!1日に2回も練習が見れるんですよね!」と態度を一変させ
皆様に「ま、まさか、朝一から行くつもり??」と呆れられたのは何を隠そうこの私です。
(普通こういう場合って皆は朝一では行かないものなのですね・・・。知りませんでした・・・(苦笑))
午前練習は9時から。車で水戸から行くため、6時の電車に乗らなくてはいけません。
そんな悪条件に他人をあっさりと引きずり込んだあげくに、眠いと言いながらもたくさん練習が見れると嬉しそうにしている私は
本当にサッカーバカなのだと実感させられることになります(苦笑)
祝日なこともあって、道路も混まず早めに着き過ぎてしまった私達は工事中の鹿島スタジアムを見学。
すでに曲線を奇麗に描いた屋根の部分もできあがってきており、今まではここでWカップが開かれると聞いても
ぴんとこなかったのですが、やっと実感が出てくるような大きさになってきています。
クラブハウスに到着するとまだ8時35分。選手もまだ来ていない模様で、鹿ガーデンの前にいると
何人かの選手がロッカーの方へやってくるのが見えました。
今日の練習は遠い方のBグラウンドでおこなわれるとのこと。(Aグラウンドの方は芝が枯れてしまっていました)
祝日なので見学席も混むだろうとの判断から早目に席を取るために移動します。
しかし9時を過ぎたというのに誰も選手が出てくる気配がありません。
5分程過ぎてやっと青いジャージを着たコーチ達が出てきましたが、選手の影も形も見当たりません。
どうやら新監督−トニーニョ・セレーゾ氏−はあまり時間にナーバスな方ではないようですね。
10分経過したところで、ようやく選手らしい人影が見えてきました。
古川さんを先頭に、金古君と松島君と新人の4人の野沢君・羽田君・中村幸聖君・内田さんです。
後から気づいたのですが、この日はどうも同じく新入団の根本君は欠席だったよう。
今日の目的の一つに新入団選手を見るというのがあったため、これはとても残念でした。
先日Jヴィレッジでの新人研修に行ったために、新人の子の顔が今年はすでに一致します。
羽田君この前見た時より後ろ髪のパーマが落ちてきてますね♪
更に3分程経ったところで残りの全員がどやどやとグラウンドにやってきました。
皆は中心のベンチの辺りに固まっているのですが、なぜか秋田さんと本山君の二人だけは
グラウンドの真ん中の方にやってきます。
「イエーイッ!」「キャッホー!!」
そんな奇声を発しているのはもちろん本山君。
ファンサービスなんでしょうか??秋田さんと二人でパス回しなんかしています。
そんなことを二人がやっているうちに、ベンチの近くではGKの3人(古川さん・高桑さん・加藤君)をのぞく全員が
大きな輪になって鳥かごをやっています。20人近くいるでしょうか?
さすがにこの大人数では真ん中に入るのが一人では厳しいので、二人入ることになっているようです。
GKの3人はぐるぐるとグラウンドを回っています。
実はこの日の前日某メーリングリストで「10日の練習で柳沢君と金古君は別メニューでした」という話が
練習を見学に行っていた方から回ってきていました。
それを見た私が驚愕して「金古君がまた怪我したのかもしれない・・・」とへこみきっており、
色々な方に真相を確かめてきた方がいいと言われていたのです。
この鳥かごのメンバーに柳沢君はいないのですが、金古君の姿はちゃんとあります。
ボールもちゃんと蹴っているようですし、真ん中に入った時もスライディングしてみたりしています。
「たいした怪我じゃなかったのかもしれない。」本当にほっとする私。
金古君が月末のACCでのデビューというビッグチャンスを目の前にしているだけに、
私は人一倍このことに神経質になっているようですね。本当に安心しました。
鳥かごを10分弱やったところで皆はストレッチに入ります。
GKはと言うと黄色いフラフープくらいの輪っかを地面に左右交互になるように等間隔で置きます。
それを片足ずづけんけんぱ゙するような感じで、ぴょんぴょんと飛んでいます。
それ以外のメンバーはストレッチも終了してランニングを開始します。
本山君は最後尾で名良橋さんと二人で走ります。
「体重が3kg増えたんです」BSの速報サッカー21でそう公言していた本山君。
確かに目の前を通った時に注意深く見てみると少し顔が・・・。うーん、でも良く解りません。
無理して一気に増やしすぎて、動きが重くなったら元も子も無いというのが私の個人的な見解ですから。
5周し終わって、次は3人一組になってボールを使ったフィジカルトレーニングが始まります。
組み分けは観客席から見て手前から
名良橋・中村(祥)・関塚コーチ、ビスマルク・ファビーニョ・野沢、熊谷・羽田・松島
相馬・内田・小笠原、秋田・中村(幸)・金古、本山・本田・増田
といった感じです。
3人で交互に真ん中に入ります。基本的に真ん中の人の為のトレーニングです。
最初は左から真ん中へボールを蹴り、それを左の人に返します。それが終わると今度は右。
こういう風に交互にボールを渡していきます。
次は1回目と同じ様にボールを受けるのですが、その後に左右の人の回りをくるっと回らなくてはいけません。
急いで回って真ん中に戻らないと、逆の人からボールが出てきてしまう為、皆コマネズミの様にくるくると走り回ります。
次は1回目の練習と同じなのですが、左右の人は手でボールを真ん中に向かってふわりと投げて、
真ん中の人はそれをキックで奇麗に返していきます。
これが終わるとまた同じ様に左右の人の回りをくるっと回ってはキックして返すの繰り返し。
最後はここまでと同じ様な形で、真ん中の人はヘディングで正確に左右に返していきます。
(私、相当説明下手です・・・。どうしても知りたい方は実際私に会って「説明求む」と言ってくだされば・・・(汗))
一番手前にいる、名良橋さん・祥朗君・関塚コーチのグループはなぜか
必ず一番最初に終了してしまい、皆が苦しんでいるのを楽しそうに見ています(笑)
フィジカルトレだから大変なのには違いないのですが、ボールを使っているためでしょうか?
普通のトレーニングよりは皆楽しそうです。
これが終了すると次は皆真ん中に集まって、瞬発系のフィジカルトレーニングです。
最初は3mくらいを監督の掛け声を合図に2人ずつ全力でダッシュ。
次は後ろをむいたところから、合図で正面を向いてダッシュ。
更に後ろ向きから始まって1m行ったら右1回転、更に1m行ったら左1回転。
皆くるくると回ってはダッシュする姿はどことなくユーモラス!
今度はサイドステップを2回ずつしてから3mダッシュ。最後に3mダッシュして線をタッチしたら反転して元に戻る。
こんな感じのトレーニングを各々2セットずつ行うと10時になり、ここで一旦全員で休憩になります。
「3人目の外人選手ですか?」
こんなセリフを思わず金古君が口にしてしまう程、新監督はとても上手いという話をよく聞きます。
この休憩時間の間にも監督はボールを触っており、ときおり見せるリフティングは素晴らしいものでした。
どうでしょう?うち今FWが誰もいないんですけど、ちょっと出てみたりなさいませんか?(笑)
休憩中にコーチが向かって左のゴール前に三角ポストを並べていました。
それを見た私たちは今度はこっち側で練習があるものと思い、全員でぞろぞろと左側へと席を移動します。
しかし休憩が終了して選手が移動をはじめると、左側には殆ど誰もやってきません。
どうやら後半は左でDF練習。右でOF練習を行うらしく、左側にやってきたのは
秋田さん・ファビアーノ・金古君・羽田君の4人だけ・・・。
左側にはそれ以外の選手全員が揃っており、200人は軽く超えようかという観客の皆様は
どんどんと右へ向かって民族大移動を開始なさっています・・・。
私と一緒にいる方々も「やっぱり攻撃の方が見たいな。移動しよう。」と移動を宣言します。
どうやら皆は冗談で「すーさんは置いていくからね」と言ったらしいのですが、
勝手に2月を金古聖司月間などと位置付けている私が発した言葉は
「あ、はい!こっちで金古君見てますんで、皆さんどうぞ」
すいません。私、本当に駄目なやつです・・・。
遠い左側から見た限りOF側で解ったことだけを簡単にここに記しておくことにします。
どうやらポジションごとに分けてフォーメーションのチェックなどをしている様子でした。
左サイドが相馬さん・中村祥朗君・野沢君。右サイドが名良橋さん・松島君・内田さん。
ボランチが本田さん・熊谷さん・小笠原君。前目がビスマルク・増田さん・本山君・中村君という組分けです。
ボランチがハーフラインから左右のサイドバックに出して、そこから中に折り返してシュート。
これが基本型ではないかと思われました。
さて数少ない見学者が見守る中(真剣にこっちだけを見ている人なんて10人もいたんでしょうか?(苦笑))、
DF組の4人はヘディングでのクリアの練習を行います。
ゴールに対して垂直に三角ポストが等間隔に5つ置いてあります。
選手はゴール前からその三角ポストをじぐざぐに走って、最後にサイドから関塚コーチが上げた
センタリングをヘディングでクリアしていました。
左サイドから上げたセンタリングを近目からと遠目からクリアする。
逆のバージョンで右サイドから上げたセンタリングを近目と遠目からクリアする。
もちろん毎回コーンをじぐざぐに走ってからのヘディングで、この4パターンを行っています。
コーチからは全員に「クリアを大きくしろ〜!!」という指示が飛んでいました。
皆それぞれ少しでも遠くにクリアしようと、しっかり助走をつけて位置を確認して飛んでいます。
「いいぞー!かねこー!!」
金古君が高くジャンプしてひときわ遠くに、そして奇麗にボールが飛んで行った時のコーチの
その一言が私の胸に強く残りました。このクリアは金古君の持ち味なのですから!
これがコンスタントにできればJリーガーとして立派にやっていけるはず。
1パターン終了するごとに4人はボールを片づけるために一旦散らばります。
ここで目にとまったのは羽田君です。一旦散らばるたびに秋田さんを捕まえては何やら尋ねていましす。
「お手本になる先輩がたくさんいるから」
アントラーズに入団することを決めた選手の多くが口にするセリフです。
こういうところで吸収していけば、きっと素晴らしい選手になれるんでしょうね。
「はねだー!腕ちゃんとひらけ−!!」
この後コーチが口うるさく全員に指導していたのは、ジャンプした時にでひじをはって腕を開くことです。
空中でバランスを取るためと、相手がボールに入ってこれないようにしっかりひじを開くのがテーマの模様。
今度はゴール前にコーチが一人立って、関塚コーチがまたサイドからセンタリングをあげます。
コーチの回りを回り込んでヘディングでまたクリアしていきます。
ここでもひじの使い方は大きなテーマだったようです。
10時45分になりOF組は練習を終了しました。皆水を飲みながらDF組の練習を見つめます。
本山君は一人でてくてくと歩いて散らばったボールを片づけています。本山君らしいですねえ♪
少し遅れてDF組も練習を終了しました。というわけで私も皆様と合流です(苦笑)
そこで私が聞かされたのは
「あ、さっき本山が三角コーンかぶって遊んでましたよ。あまりのことにびっくりしてるうちにやめちゃいましたけど・・・」
本山君・・・。一応あなたも20才の男の子なんですから・・・。でも可愛いんでしょうね(苦笑)
そう聞いて呆然と本山君を探して見てみると、私の目には秋田さんの隣でちょこんと正座する本山君の姿が・・・。
もう勘弁してください!!(笑)
今度は2組に別れてハーフコートでのミニゲームです。
ビブス組は高桑・金古・羽田・本田・熊谷・松島・小笠原・本山・秋田
ノンビブス組は加藤・祥朗・内田・野沢・相馬・名良橋・幸聖・ファビアーノ、そして監督。
ここで特筆すべきはビブス組の2トップでしょう。本山君とコンビを組むのは秋田さん!
二人でぐいぐいとドリブルで相手ゴールに攻めあがっていきます。
秋田さんがすごい迫力でドリブルしてきたら、それは羽田君じゃ止められませんよ!(笑)
ノンビブス組の2トップも幸聖君と名良橋さんという組み合わせで、開始早々に名良橋さんが
金古君を抜き去り奇麗にゴールを決めました。
本田さんから、「かねこ〜!!抜かれるな〜!!」という声が飛んでしまっています。
ミニゲームとはいえ、やはり皆相当の負けず嫌いを全面に押し出しています。
コーチの判定に心底信じられないという顔をして、自分達のマイボールを主張する相馬さん(笑)
高桑さんがキャッチしたボールをいきなりカットして、ゴールを決めた野沢君はコーチに
「だめだめ!それは反則だぞぉ!」と宣告されて苦笑いしていました。
最後に相馬さんが中盤からドリブルで5人くらい抜き去ってファインゴール!
ここで笛が吹かれて午前の練習は終了となったようです。
良い形で締めくくった相馬さんはとってもご機嫌みたいですね♪
皆がストレッチをする中、一人で黙々とシュート練習をする監督の姿を見て、
その技術の確かさに観客席からも歓声が漏れていました。