〜心に花を〜 鹿児島・福岡遠征記4

Act 3.Scene1. <2月27日 ACCアントラーズVSジュビロ>

ACCも2日目。日曜日の1時からキックオフということもあって、初日に比べれば人はたくさん入っていました。
サポーターというよりもバックとゴール裏にいる人は小学生から高校生までの子供たちが目立ちます。
東京に普段住んでいた頃は気づかなかったことですが、子供達にとってJリーグの試合を生で見るということは
地方に住んでいたら滅多にできない経験です。
こういう時に素敵な試合を見せてあげることができたら、この子達の思い出に深く刻み込まれることでしょう。

メンバー発表を見て驚いたのはアントラーズ側は布陣を4ー4ー2に戻していたことです。
4ー3ー3に固執しているのか?とも思っていましたが、アジアのタイトルというのを重要視するジーコさんの方針もあるのでしょうか?
あっさりと今までのアントスタイルでの布陣です。
GK高桑、DF名良橋・秋田・金古・相馬、MF本田・中田・小笠原・ビスマルク、FW柳沢・平瀬です。

今日は風もとても強く、丁度アントラーズのゴール裏に向かって強く風が吹いてきていました。
先述した通りに真横にはもくもくと煙を吐き出す桜島があるために、目を開けていることが辛い時間帯も多いです。
(それにしても街を歩いている時に、灰を捨てる専用のごみ置き場があったことには驚かされましたが・・・)

開始直後はアントラーズが一方的に攻め立てて、ジュビロのゴールを脅かします。
6分には平瀬君が2列目で受けて、前線の柳沢君にふわりと浮かせたボールを送ります。
ここでGKと交錯してしまった柳沢君。足を抑えて相当に痛そうな様子です。

続けて8分には中盤でビスマルクから柳沢君へ。ゴール前左にいた平瀬君にばっちりのタイミングでボールが渡りますが
2回目のトラップがゴール裏から見ていても明らかに大きく、完全にもらったと思ったこのチャンスがふいになってしまいます。

こういう風にチャンスを決められないと、流れはえてして相手に傾いて行くものです。
18分にはPAの左少し外からの藤田さんのFK。反対側から見ていて、完全に入ったと思いましたが
ぎりぎり枠をかすめただけでは外れてくれた様子。

ラッキーはそうは続きませんでした。PA左から藤田さんのFK。ここで直接壁に向かって蹴ってくるかと思ったのですが、
その予測は見事に外され、中央後方に構えていた奥さんにちょこんとボールを出します。
はっと気が付いた本田さんが後ろから追いかけたのですが、時すでに遅し。
豪快なミドルシュートが放たれ、クロスバーを直撃したと思ったらそのままゴールラインを割りました。
アントラーズ側はノーゴールを審判に主張しましたが、もちろん受け入れられるわけもありません。

この後もジュビロに効果的にサイドチェンジを使われます。
小笠原君やビスマルクのシュートも枠を外れたり、GKの正面だったり。
挙げ句の果てに平瀬君が本日2度目の決定的チャンスをゴールポストとクロスバーのどんぴしゃ角に当てた時は
頭を抱えるどころではなく、へなへなと力が抜けてしまいました。

後半も相変わらずの展開です。とにかくオフサイドの多さにはどうしていいのかさっぱりです。
柳沢君がボールを持つと必ず線審の旗が上がっていると言っては言い過ぎでしょうか?
でも後半途中からは線審の旗があがると「今の誰?ヤナギ??」と聞いては
背中に#13と書いてあるのを見てはため息をつくの繰り返しだったのは本当のことなのです・・・。

4ー3ー3だった先日と比べて中盤でボールは回るのですが、いかんせん最後がこれではいけません。
ただFWの2人だけが悪いわけではなく、中盤のメンバーもことごとくシュートを外してはいましたし
セットプレーでもアイディアも気迫も感じられずでは、私のメモ帳がまるで埋まっていなくても仕方の無いことでしょう・・・。

16分には小笠原君から増田さんへメンバーが交代されます。
ここで負けたら準決勝への進出が困難へとなります。どうにか最悪でも1点もぎ取らなくては!

しかし25分過ぎるとジュビロが立て続けに攻めてきます。
右サイドから大きく左でフリーになっていた高原君にボールが渡り、シュートをふかしてくれたから助かったり
ラドチェンコの至近距離からのシュートを高桑さんがぎりぎりのパンチングでセーブし
続いた山西さんのシュートも神懸かり的に止めました。本当に危なかった!

36分には疲れて運動量も少し落ちてきた平瀬君に替えて本山君を投入。
走ることは走るのですが、相馬さんとかぶってしまったりとなかなかいいところが出ません。
続く39分に本田さんから熊谷さんにチェンジ。3人枠をフルに使って勝負に出ます。まずは1点でいいんです!

しかしこの後もなかなか効果的な攻撃は見られず、試合巧者ジュビロも徐々に引き気味になって1点を守りにきます。
ロスタイムの表示が丁度出た頃、ファールで得たPA右のFKをビスマルクが少しグラウンダー気味に左サイドに蹴り込みます。
ここで前線に張っていた金古君が低く体を投げ出すようにヘディングシュートを放ったのですが、
これはタイミングが合いきらずにGKの手に一直線・・・。
結局最後の祈りもむなしくこのまま試合は終了。準決勝はかなり危うくなってきました。

Act 3.Scene2. <2月27日 試合後 ・ACC水原VSシンタナ>

終了後何人かの知り合いの方々にご挨拶をすると、揃って「もう帰らないといけないから3試合目は」とおっしゃっており
「3試合皆勤する人なんていったい何人いるんだろう・・・」という素朴な疑問が頭に浮かんでしまいました。
そして皆さん揃って試合内容を嘆くこと嘆くこと・・・。

試合終了と同時にほぼゴール裏は皆帰ってしまったのですが、次の試合も一応見ようと思っていた私達はまたバスを見ていました。
やはり地元の平瀬君はたくさんの記者に囲まれています。
他の選手が軽く片手を上げて帰る中、群がる子供達に次々とサインをしてあげています。
2試合ともノーゴールで終わって悔しくないはずはないのですが、子供達に優しくしてあげることは
私たちの様なファンに優しくする以上に大事なことだと思います。平瀬君はいっつもファンの子に優しい方ですよね。

金古君も10人を超える記者の方達に囲まれていました。
後からこの試合を視察に訪れたトルシエ監督からも声をかけられたと報じられていましたが、
1年の間待ち続けていたのは自分達だけではないと知って嬉しかったです。。

初戦の時はバスに乗り込んだ後も表情は少し硬く、自分自身に納得していない様子がありありと伝わってきましたが
今日は比較的表情も穏やかで、バスで秋田さんに頭をなでられて嬉しそうにしている姿を見ることができました。
もちろんミスもあって納得できないことは山の様にあるのでしょうけれど、何か手応えを掴んだのではないでしょうか?
何しろ金古君は怪我の後、練習試合でさえも1回も90分通して出場したことはありませんでした。
今の自分がどこまでやれるのか解らないまま迎えたのがおとといの試合だったのでしょうから

バスを見送ってふっと競技場の中に目を向けると、そこには殆ど人がいませんでした。
試合開始前こそ200人近くいたか?と思われる人々も、ハーフタイムには100人近く。
バックスタンドには明らかに学校の先生辺りに連れてこられて、そのまま試合を見ているとおぼしき子供達の集団。
この子達がいなかったら何人いたかと思うと恐ろしいです・・・。
私たちがいたゴール裏は10人もいたでしょうか?これも5人位の集団でいた子供達のおかげですけれど。
こんな試合を見ている私たちはよっぽどサッカーが好きなのでしょうかね?(苦笑)

試合事態は水原が前半押して3ー0とし、これは大量点か?と思わせたのですが
後半シンタナの抵抗に会い最終的には4ー0。
これにより最終日はジュビロが水原に1ー0で勝ったら、アントが5ー0以上でシンタナに勝つ。
これが準決勝に進むための条件となりました。
ジュビロが水原に引き分けてももう駄目というかなり絶望的な条件ではありますが・・・。
鹿児島最終日には大爆発を見ることができるのでしょうか??

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