〜心に花を〜 鹿児島・福岡遠征記7

Act 5.Scene3. <2月29日 試合後・福岡に向かって出発>

結局さっきの試合のMVPはシンタナのGKが受賞していました。
相当自虐的になっている私は「ああ、それは珍しく的を得てるMVPの選出だね」などとくさしていました。

ぼーっとしながらバスが出発するのをゴール裏の一番上から見守ります。
今まで浩二君と増田さんの席には誰も近寄ることはなかったのですが、
今日は野沢君がひょこひょこと近づいて行き二人に話し掛けては楽しそうに笑っています。
こういうところでも大物ぶりは発揮されるのだなあと感心してしまいました(笑)
バスの出待ちなど普段の試合ではすることの無い私ですが、
バスの中には数多くの人間模様が詰まっているということが、この5日間で良く解りました。

とにかく5日間の長きに渡り滞在した鹿児島鴨池近辺ともこれでお別れです。
ホテルに行き荷物を預かって頂いたお礼を言って、西鹿児島駅に向かうべく路面電車に乗りました。
2駅程乗ったところで乗り換えだと思いお金を払い乗り換えの旨を運転手さんに告げると
(鹿児島の路面電車はどこまで乗っても一律160円なために乗り換える時は160円払った証明の切符を貰う)
「駅に行く電車は10時で終電ですよ。タクシーか歩きになりますね」と・・・。

11時半の博多行きの深夜バスまで時間は1時間と少し。あっさりと歩く決意を固めた私たちでした(笑)
荷物は重いし歩いても歩いても駅にはたどり着かず、嫌になりかけたのですが
タクシーに乗るなんてそんなもったいないことは頭の隅にも浮かびません。
気づくと全部で9駅分。正味40分の駅までの道のりを歩ききっていました。

バスは横に3列でリクライニングと完全な夜行用のバス。
普段は観光バスで12時間以上の夜行バスなどに平気で乗っている私にとっては感動物でした。
夜が明けたら次はいよいよ福岡へ上陸です!!

Act 6.Scene1. <3月1日 博多到着・アビスパのトップ練習見学>

朝6時。乗務員さんの声で目が覚めていよいよ博多に到着です。
最初は博多駅で降りる予定だったんですけど、私が携帯を行方不明にさせたせいで天神まで行くはめに・・・(死)
天神のバスターミナルから最初は地下鉄で博多駅に移動予定が、
地下鉄の入り口が見つからずバスで行くこととなりました。

私は博多(というか九州全土)に初上陸だったこともあって、見るものにいちいち感動しています。
「ああ、ここが天神かあ」「あ、これが金古君とか誠史君が使ってた地下鉄のホーム!!」「おお、これが博多三越!」

博多の駅に到着するとまだ6時半過ぎ。駅のコインロッカーに荷物を預けた私たちはある方向へと向かいました。
駅から歩いて15分少し。1軒のスカイラークがあります。
何の変哲もないスカイラークですが、ヒガシ好きな方には解って頂けるでしょう。
3年程前のサッカーaiのファミレストーク(出演者:手島和希・本山雅志・古賀誠史・古賀大三・金古聖司・宮原裕司)の
会場として使われたあのスカイラークです。

ここで朝ご飯を食べてからアビスパのトップ練習に行こうと思っていたのですが、
24時間営業のはずのスカイラークは本日清掃のため7時半からの営業とのこと・・・。
仕方が無いので30分少しの時間をつぶすことにしました。

スカイラークから3分ほど歩くといくつか白い垂れ幕のかかる建物が目に入ります。
そうです。ここが東福岡高校なのです!「祝 サッカー高校日本代表 山形恭平君」という垂れ幕がかかっています。
よく雑誌等で見かけるこの正門の風景。垂れ幕と正門が奇麗に一緒に入る様に苦労して写真を撮ります。

横の駐車場にあるのは、有名な紅いヒガシバス。
志波先生の運転するこのバスに乗ってサッカー部の部員は日本全国を試合して回るのです。

学校の周りを一周すると汚いと評判の部室(笑)やラグビー部と半分こして使っているというグラウンド。
果てはグランパス番組で紹介されたことで有名になった部室側のミニストップまで。
知らない人にとっては何でもない場所なのに、私にとっては見るもの全てが感慨深い物ばかり!

今日はここで卒業式が行われるはずです。
お正月に私の心を掴んで揺さ振った、あの皆が今日ヒガシを卒業する日。
鹿児島から直接帰ることなく博多へわざわざ寄ったのは卒業式が今日あったからでした。

やっとのことでスカイラークの営業も始まり、無事に朝食にありつけることに。
(本当は「俺りんご」とか色々マニアなネタ(爆)をやろうと思ったのですけど、モーニングメニューだったため断念(苦笑)) 

博多駅に向かいアビスパの練習場のある雁ノ巣へと電車に乗ることに。
香椎の駅で乗り換えて雁ノ巣駅まで約1時間。無人駅の雁ノ巣では幼稚園の子供達が遠足に出発するところに出くわします。

駅から歩いて10分ほどのところにアビスパのトップが練習する公園がありました。
公園の入り口には「アビスパ福岡」とマジックで書かれた紙が貼ってあるポストがありました。
(このポストに届いた選手宛てのファンレターが選手本人に届くかどうか大いに疑問が残る作りでしたよ・・・)
同じ敷地内にはダイエーホークスの2軍も練習しています。練習場は入り口から遥か遠く。

野球場を3つ〜4つ通り越すとやっとサッカー場らしい建物が見えてきました。
クラブハウスはなかなか奇麗な作りになっていて、練習場も2面芝生・1面土の3面が完備されています。
クラブハウスの中を通り抜け見てみるとそこにはすでに20人以上のアビスパの選手が
顔をそろえてストレッチなんかしながらアップしていました。

見学者はこの時点ではまだ私たちだけ。目の前3m位のところの見学席と練習場をしきる壁を利用して
ストレッチしながら楽しそうに選手が話をしています。

私にとってアントラーズ以外のJリーグの練習を見に行くのは初めてのことでした。
「アントラーズ程設備も練習も恵まれてるチームはそうないよ」
「色々なチームの練習を見ることは試合を見ることよりそのチームが解るから見てみた方がいいよ」
色んな方にそういうアドバイスを昔から受けていて、その度に「そうかなのかな?」と思いながらもそのままにしていました。
初めて見に来たアビスパの練習は何か私に感じさせるものがあったのは間違いありません。
それが何なのかはこの時はまだ良く解っていなかったのですれど。

ざっと見回してみても自分の勉強不足もあって、ぱっと解る選手は山下さん・小島さん・三浦泰年さん・中払さんくらいのものです。
人数を数えてみると明らかにトップだけにしては多く、今日多数の高校が卒業式なことを考え合わせると
サテライトだけでは練習にならないために、トップとサテが合同で練習しているであろうことが推察されました。

今日はフィジカル中心の練習らしく、グラウンドの周りを走った後はハードルを飛び越したりダッシュしたりしています。
少し経ってトップ組は徐々にボールを使い出したのですが、サテライト組はひたすら走り込んでいます。
アビスパは宮崎合宿ではすごい走り込みを行っていたと聞いたのですが、その傾向は続いているようです。
Jヴィレッジで新人研修で見た時にサンフレッチェの新人にさえついていくことのできなかった
前田隆君がこの練習についていけているのか正直不安になりました(苦笑)

9時半からの練習のはずが始まったのは10時近く。人もまばらに現れて思い思いにストレッチという
だらだらした練習開始から始まり、11時半で終了のはずの練習は12時近くなっても終わる気配を見せません。
この後ヒガシに再び戻り卒業式後の追い出し試合を見る。
山下さんにお会いしたいという野望もあったのですが、途中から合流した方の車に乗せて頂いて
ヒガシに向かうという話になっていたので、終わらない練習を怨みつつ車に乗り込みました。

途中渋滞に捕まりながらも、同じ物を好きな人が5人も集まれば会話は楽しいものです。
1時間程で再びあの場所へと私は戻ってきました。

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